住宅用照明器具大手のオーデリック(6889)の株価が3倍になる条件

  • 東証JASDAQ 6889
  • EVAレポート
  • 2017/12/01

成長シナリオ次第で、株主価値は1,003億円。バリューギャップは719億円

住宅用照明器具大手のオーデリック(6889)を投下資本、超過利潤価値、成長価値などに分解する超過利潤(EVA法)によって分析した。業績や将来見通し、中期経営計画 などをベースに試算した結果、株主価値は1,003億円と推計することが可能である。5年程度で売上高が477億円、営業利益が65億円、 10年程度で売上高が546億円、営業利益が74億円,投下資本の売上高比が現在の59.5%で一定推移となる前提である。株主価値と 時価総額のギャップは719億円であり(時価総額の253%)、期待形成によってはアップサイドあり。

 

今期のオーデリックの業績は非住宅部門の伸び悩みと住宅向け照明の製品価格の低下により前年同期と比べて僅かに減収減益となった。住宅向けLED照明の需要が一巡し、価格競争も激しさを増す環境で、同社が昨年開発した住宅向けの「CONNECTED LIGHTING」、また同社の従来の弱みであったハイパワー照明(高天井用器具・投光器)などの高付加価値商品で利益を稼ぎ出せるかが勝負の分かれ目となる。

近年のIoTブームに伴い各社が開発をすすめる住宅照明のIoT化、東京オリンピックを見据えた建設特需など、今後数年で売上・利益率を改善できる要因はいくつか存在する。同社の今後の成長に注目したい。

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