弊社レポートMipox株式会社(5381)が日経ヴェリタスに引用

  • 5381
  • ベーシックレポート
  • 2016年9月2日

成長・収益安定化がビルドインした戦略で拡大加速

日経ヴェリタス8月20日号に弊社のご支援先Mipox株式会社(5381)が
株価が10倍に上昇する「テンバーガー」銘柄として取り上げられました。

ニッチでも光る技術・事業モデルとして「絶対優位型」の企業として
分析されております。

その後、二日連続ストップ高となりました。

参考にされた、弊社のMipox社の2016年9月5日付発行の
レポートを掲載いたします。

 

20160905_Mipox様

Mipox 株式会社 

(5381 JASDAQ)  発行日 2016 年 9 月 5 日 

成長・収益安定化がビルドインした
戦略で拡大加速  

超精密研磨分野でグローバルニッチトップ 

1925 年に顔料と色箱の輸入商社として設立された当社は、戦後色箱の製造を
開始し、1970 年代には、技術応用により磁気媒体向けの性能向上に不可欠な
精密研磨分野に参入した。対応困難なニーズに対応するために研磨材開発の
みならず研磨製造装置、研磨プロセスの開発までワンストップに提供していっ
た。その結果、超精密研磨分野で競争優位性を確立し、ハードディスクや半導
体ウェハーの最終処理工程で利用される超精密研磨分野で工程によっては世
界シェア 1 位の地位を築いた。ただし、特定分野依存となり、技術変化による受
注減少とリーマ・ショックにより、2007 年 3 月期に 80 億円あった売上が 2 年で
30 億円に低下し、3 年間の赤字合計が 40 億円近くになるなど危機に陥った。 

リーマン・ショックの危機を乗り越え
経営改革を推進し拡大ステージへ 

どん底の 2008 年に 37 歳で創業者一族として社長就任したのが渡邉淳社長で
ある。同社長の強いリーダーシップのもと、①一般研磨用途への進出、②設備
稼働率重視、③受託による顧客ニーズの体系的取得、④モバイル・クラウドベ
ース顧客管理・営業支援。業務効率化ツール活用、⑤情報共有化による意思
決定プロセス迅速化等が進められた。2010 年度に黒字化し、2011 年度以降は
4 期連続で増収(年率 8%成長)  を果たした。昨年度は営業利益率が 12%となり、
過去 80 億円の売上高で達成した 5 億円の営業利益水準を、売上高 42 億円水
準で達成した。クラウドベースツールによる改革は特に注目され、渡邉社長は、
その成果について多数の講演依頼を受けているほどである。現在さらに攻めの
経営ステージへと舵を切り、昨年 12 月には民事再生となった売上高 4 億円規
模の競合企業(現 Mipox  Kyoto 社)、今年 7 月には中国投資失敗で損失を抱え
た、売上高 30 億円規模の日本研紙(株)を買収した。Mipox  Kyoto は反射材技
術に不可欠なガラスビーズコーティングにおいて高い技術力をもち、日本研紙
製品はスマートフォンの筐体研磨やレクサスの内外装の塗膜・メッキ表面研磨・
エンジンパーツに利用されるなど一般研磨で高い技術力を持つ。 

成長・収益安定化がビルドインした
戦略で全方位拡大加速へ 

2017 年 3 月期は 70 億円規模まで増収となるが、M&A 費用負担等で営業利益
は 6%減収となる。また、第一四半期では高付加価値製品の落ち込み、為替差
損等で、最終利益で赤字となった。短期的には利益変動が高い体質と言える。
長期的な企業価値については、研磨業界特有の3つの要素、「①古い技術と新
しい技術が併存する、②素材・用途別に最適な研磨技術が異なる、③根本的な
研磨原理は解明されていない」に根差して、当社が有効な戦略の打ち手に取り
組んでいるかという点が重要である。本文 p13 以降で詳細に述べているが、当
社の戦略には、3つの要素を競争優位性確立に活用する仕組みが構築されて
おり、成長持続・収益安定化がビルドインされている。拡大した技術・顧客・収益
基盤の活用、買収企業の業務改善、シナジーが実現できれば大幅な利益拡大
と安定的収益体質構築が期待される。高付加価値化に欠かせない研磨材市場
はグローバルに 4,000 億円ほどの規模があり年率 6%で拡大が見込まれる。今
後 5 年間で当社が 6%の売上成長率、10%程度の営業利益率(今期計画は 7%程
度)を達成する前提で株価を試算した結果、PBR1.3 倍、PER19.8 倍 587 円の水
準となった。長期的なポテンシャルから見れば違和感ない水準と考える。 

 

合わせて読まれている記事